◯仙福屋の名古屋帯
この名古屋帯は、仙福屋がデザイン若しくは配色を行い、となみ織物が製織した帯です。
京都西陣の織元である、となみ織物では経糸と横糸の組み合わせで、多種多様な織物を制作。
意匠は古典的な文様だけでなく、中央アジアやヨーロッパなどの各地、人間国宝・神坂雪佳・伊藤若冲、唐長など、
江戸や明治期、現代まで大変幅広い時代のモノを帯の意匠として取り入れて日々モノづくりをしています。
◯意匠について/神坂雪佳の世界
帯のデザインのモチーフになったのは、近代琳派の巨匠と呼ばれる『神坂雪佳』。
その雪佳がヨーロッパへ視察旅行の際、数ヶ月にわたる船旅に見た『海』。
それを元に描かれた図案『海路図』をモチーフに帯の意匠としております。
地と柄の2色だけで構成されたシンプルなデザインではありますが、経糸の数、横糸の緻密さから奥行きを強く感じます。
そのため、コーディネートには柄物でも、無地っぽい着物とでも、大変合わせやすい便利な名古屋帯となりました。

◯織りについて/二重織
経糸に約8,000本のモノ絹糸を使い、その上下でベースとなる文様を織り成していく『二重織』。
経糸が非常に多いため、生地がしっかりとした風合いがあります。
そのため、結んだ際にギュと安心感のある結び心地がこの織の特徴です。
また、結びじわからの復元性も良く、お手入れの面で扱いやすい帯地でもあります。
◯用途:お洒落着/紬や小紋を中心に
用途としては。小紋・御召・大島紬や結城紬などの紬の着物等々。
お洒落着中心のコーディネートにお勧め致します。
季節は真夏時期(7・8月)を除く、『袷から単衣』の時期と幅広い期間、お使いいただけます。