【8/16 五山送り火/舟形】
早くも8月も終わりとなりました。
お盆・送り火が終わると、秋を感じる。ということがひと昔に思えるくらい、京都はまだ真夏の気温のままです。もう数日で暦の上は単衣時期ですが、もうしばらくは夏や浴衣の出番が続きそうですね。
この月は試作制作に明け暮れたような1ヶ月になりました。過去最高ぐらいの試作試験を繰り返したので、これらをベースにして来月、再来月以降のモノづくりを積み重ねていきたいと思います。
楽しみにしていてください。

8/4 総紗縫の次の形?派生?
冒頭で書いていたモノづくりの中でも1、2番目に期待しているのが、この総紗縫の新しい形。糸使いを大きく変えていますのですでに総紗縫ではないような気もしますが、社内では分かりやすく、新しい総紗縫と呼んでいます。
通常+1で緯糸を織り込んでいるため、場合によっては表現力を何倍にも引き上げてくれそうです。わずかの重量増を除けば、デメリットもほぼなく。
現在のところ、白と黒の配色での試験が終わり、今度は色と多色使い。組み合わせに寄って、表にどんな影響が表れるか、発色がどうなっていくのか?
モノづくりとしては、かなり画期的ですが、まだ社内でそれを理解してくれるのは、ほんの僅か・・・だったりします。

8/7 織組織つぶつぶ
新しい織物のベース部分。これも新しい織組織となりますが、まだまだ無地となる部分の試験中。現在のところ、皺と糸のバランスを取り、風合いを見ながら修正を掛けています。
それが出来てからの完成図案は用意済みですので、意外に早く形にできそうです。

8/19 星々の舞
図案『星々の舞』(ちらっと左の方に見えるの本図案)は20年近く前のもの。図案の裏書情報からすると、元々はインドの染織が起源、不思議な可愛らしさと魅力を感じる意匠です。
この図案も含め、となみ織物が所蔵する図案やデザインを少しずつ整理しています。重厚な花鳥風月的なものはもう少し後になりますが、まずシンプルな普遍性を持ったものを先に、まとめています。
図案の数量を考えると10年単位の仕事になりそうです。
ちなみに、この星々の舞は小紋や襦袢として検討。サイズを間を、開け、柄を回転させたり。やるべきことはここで全てやっておきます。
【 同意匠のお太鼓ポーチはこちら 】

8/25 市松の競争
定番中の定番『市松柄』のモノづくりが社内で密かなブームです。
THE 市松柄を使って、現存する織組織で配色を工夫をしたり、織組織から色から何から何まで拘るモノづくりなど人それぞれですが、わたしが制作しているモノは、何から何まで拘るパターンです。
写真がその試験織になります。四角ごとに織組織を変え、それがランダムに見えるように色を配して設計。これだけ色数を使っていても、裏糸が見えないように工夫をしました。
ただ、幅が出ず、帯としては不完全のため、ただいま修正中です。加えて、袋帯や九寸名古屋帯で設計すれば、折り込みをすることで幅の調整は可能ですが、あえて八寸名古屋帯で仕上げたいので、ちょっと狂気?と言われるような調整をしているモノづくりです。
【雑談コーデ】あーとりずむ(夏小紋)
雑談コーデ#65回目は、着物あーとりずむです。この着物は弊社常務がモノづくりをする着物。氷割れをモダンに夏単衣の生地に染色しています。
帯は前編後編で4本、亀仙人などかなり個性的なモノばかりです。帯は紅村帯、亀仙人、神坂雪佳本袋、アカンサス相良刺繍を使用しました。
■ 雑談コーデ#65